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CMMI(Capability Maturity Model Integration)-  5段階の能力成熟度モデル

投稿時間: 22:20, 09/08/2023

 2NFソフトウェアはCMMIレベル3に基づいたソフトウェア開発プロセスを適用しています。ソフトウェア会社の組織プロジェクトマネジメント能力を判断するにあたり、CMMIは確実にその指標となります。CMMIのレベルが高いほど、その会社の製品は品質が確保され、開発プロセスは風通しがよく、柔軟であるということになります。本日はこのソフトウェア企業のための世界的な評価基準について、深堀りしてご紹介していきます。

<目次>

  1. CMMIとは?
  2. CMMIの目的
  3. CMMIの5つの習熟度レベル
  4. CMMIの認定
  5. まとめ

1.CMMIとは?

 能力成熟度モデル-Capability Maturity Model Integration 、通称CMMIはソフトウェア企業向けのプロセス改善規格です。CMMIはアメリカはピッツバーグのカーネギーメロン大学のソフトウェア工学研究所(SEI:Software Engineering Institute)で開発されました。

 CMMI成熟度モデルは5つのレベルと22のプロセス領域(ある領域における関連するプラクティスのひとまとまり)が定義されています。

CMMI成熟度モデルの5つのレベル

2.CMMIの目的

 CMMIの目的は、組織のプロジェクトマネジメント力を客観的に評価することです。世界共通の一定の評価に基づき、5段階のいずれかのレベルに評価・認定をすることで、各企業の質を見える化し、客観的な組織の価値を高めます。企業側に対しても、プロジェクトマネジメント力の強化に関心を持ち、課題の洗い出しと対策を行って、更なるレベルの向上を図ろうというモチベーションを与えることにつながります。CMMIレベル3以上の認定を受けていれば、プロジェクトマネジメントの能力が十分にあると、対外的にアピールできる根拠になります。そして、顧客側もそういった可視化された基準からその企業を判断することができ、初めて信頼ができるというものです。

3.CMMIの5つの習熟度レベル

習熟度レベル1初期

 習熟度レベル1はCMMIの最も初級の出発点となるレベルです。全ソフトウェア企業及び個人がこのレベルに達することができます。

 このレベルにおいては、プロセス構築と展開はまとまりがなく、企業の仕事環境も安定していません。このレベルにおける組織の成功は、場当たり的な能力、組織幹部と社員の運営に依存し、プロセス使用には到底依ることはできません。

 レベル1の企業の製品やサービスは一応運営することはできるものの、予算や締め切り日を超過します。

<特徴>

・有効的なプロセスが定まっておらず、常に変動する。

・スケジュールの策定が難しく、成果物の品質が一様でない。

・予算や締め切り日を超過するリスクが高い。

習熟度レベル2―管理された

 レベル2を達成するためには、企業は当レベルで求められるプロセス領域の共通目標および詳細目標をクリアしなければなりません。言い方を変えれば、企業のプロジェクトは事前のプロセス計画策定とその実行、厳正な測定・監視といったすべて要求項目を満たす必要があります。

 当レベルにおいては、要件、プロセス、製品及びサービスは管理されます。そして、製品状況やサービス取引は事前に企業内部で統一された方法で管理されます。

 必要時に関係先と確約内容の設定及び修正をする他、関係先と連携して製品の検討・監視を行います。総じて、製品とサービスが具体的な要件、基準、目標を確実に満たしている状態です。

<特徴>

・管理プロセスは初歩的だが、一通りの管理は行われる。

・同様なプロジェクトは反復し、再現することが可能である。

・予算や締め切り日を超過するリスクは依然として存在する。

習熟度レベル3定義された

 習熟度レベル2及び3で求められるプロセス領域の共通目標と詳細目標を達成することで初めてレベル3に認定されます。

 このレベルのプロセスは、特徴的且つわかりやすく、企業の作業基準や手続き、ツール、作業方法に明確に表記されています。

 レベル2とレベル3の主な違いは、基準や表記、そして手続きの範囲です。レベル2では、プロセスのそれぞれの基準、記述、手続きには相違点が存在します。しかし、レベル3ではこれらの要素はプロジェクトもしくは企業のプロセス基準を遵守します。このプロセス基準はレベル2及びレベル3で構築されたプロセスを含みます。つまり、一部の細かな相違点を除き、企業単位で実行されるプロセスは会社の原則に相応しく、統一性があるということになります。

 もう一つレベル2及び3の違いとして、レベル3のプロセスはレベル2と比べ、はるかに詳細に記述され、厳密に監視されます。また、プロセス及びその製品・サービス間の詳細な測定と活動の相関関係の明確な把握を通し、管理が主体的に行われます。

<特徴>

・組織の標準プロセスが確立し、一貫して使用される。

・基準の手直しを通してより実用的な標準を適応する。(テーラリングと呼ばれる)

・発生したトラブルに対処できるだけでなく、未然に防止できる。

注意して欲しいのは、レベル3が“普通”ではないということです。レベル3は標準的な仕組みを持っており、それを改善しながら管理しているという高度な水準です。

習熟度レベル4定量的に管理された

 このレベルでは、企業はレベル2,3,4で求められるプロセス領域の詳細目標と、レベル2,3の共通目標の達成が必須となります。

 サブプロセスの選択が全体プロセスの実施に大きく貢献します。これらのサブプロセスは定量的かつ統計的ツールにより制御されます。

 品質及びプロセス管理のための設定定量目標はプロセス管理における基準としても使用されます。注意として、これらの定量目標は顧客もしくは最終的な利用者、すなわちプロセスを実行する企業とその社員の需要に基づいて設定されます。また、品質確保やプロセス実行が統計的なアルゴリズムに沿って理解されることと、プロセスの一貫管理が不可欠となります。

 このサブプロセスに対し、プロセス実行では詳細に測定・収集及び統計分析されます。そしてプロセスの変更が発生した場合、それに至った原因を認識・克服することで、次回以降の再発を防止します。

 品質管理測定パラメータ及びプロセス実行パラメータは、将来、実際的な決定を打ち出すために、アーカイブされます。

 習熟度レベル3と4の明らかな相違点は、プロセス品質を予測・制御できるか否かにあります。レベル4ではプロセス品質は定量ツールと統計ツールを用いて制御され、そこから定量的な予測が可能です。それに比べ、レベル3ではプロセスは単に定量的に予測できるのみとなります。

<特徴>

・品質やプロセス実行などのデータを数値化し、データに基づいたプロセスの管理が行われる。

・プロセス管理は定量ツール及び統計ツールによって制御され、定量的な予測ができる。

習熟度レベル5最適化している

 習熟度レベル5は最も高いレベルであり、レベル2から5のプロセス領域の詳細目標の達成、またレベル2,3の共通目標の達成をした企業が初めてレベル5に認定されます。

 レベル5のプロセスになると、頻繁にプロセスの変更を引き起こす原因を定量的によく理解し、断続的に改善が行われます。

 このレベルでは、テクノロジーの創造性と改善増加を通して、企業は連続的な改善が行われるプロセスの品質に注力します。それだけでなく、組織向けの定量的プロセスの継続的な改善目標を立て、より会社の方針に合ったものに随時変更していきます。レベル4と同様、これらの目標はプロセス改善管理をするための基準ともされます。

 プロセス改善実施の効果は、定量的プロセスの継続的な改善目標と共に測定・評価されます。企業の確認プロセス及び基準プロセスも、改善指標の測定活動に含まれます。各プロセスの迅速かつクリエイティブな最適化には、権限のある社員の価値及び企業の経営目標に相応した参加に左右されます。市場の様々な変化や機会を前に、素早いサーチ能力と不断の学習によって、企業の対応力は向上していきます。プロセス改善は全員の責任であり、一貫した継続的改善のたまものでもあります。

 レベル4とレベル5の決定的な違いは、プロセス変更の認識にあります。レベル4では、結果の統計予測とプロセス変更を及ぼす原因の認識を重要視したプロセスでした。プロセスは結果予測が可能であるにも関わらず、企業が掲げた目標を達成するにあたっては、時に結果が不明確なことがあります。一方レベル5では、定量的プロセスの継続的な改善目標の達成に向け、企業はプロセス変更を及ぼす一般的な原因を重視し、プロセス効果の向上(及び統計予測の維持)をねらった最適化が図られます。

<特徴>

・レベル1から4の達成目標をクリアし、さらにプロセスの継続的な改善が可能である。

4.CMMIの認定

 CMMIの生みの親であるSEIは、組織のCMMIレベルを認定する人材の教育・認定行っています。認定されたCMMIレベル認定資格のある人物は、SCAMPIアプレイザーと呼ばれます。組織がCMMIレベル認定を受けるには、このSCAMPIアプレイザーとチームに依頼し、プロジェクトマネジメント能力・状況を評価される必要があります。

5. まとめ

 CMMIは、世界で通用するソフトウェア製品生産過程の成熟度の評価証明書であり、ソフトウェア及びその他関連サービス構築における企業の能力レベルを確定します。ほとんどの企業がレベル1ないしはレベル2の程度であり、プロセス改善によりレベルを上げてゆくことが望まれます。

 そんな中、2NFソフトウェアはCMMIレベル3に基づいたソフトウェア開発プロセスを適用しています。多くの日本のお客様と共に築き上げた約10年の経験から、弊社のソフトウェア開発プロセスは標準化され、お客様に品質、予算、納期などあらゆる面で安心して任せていただいております。


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