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機械学習と深層学習(ディープラーニング)の違い

投稿時間: 22:13, 09/08/2023

ここ数年、特に2015年以降AIは目覚ましい普及を遂げています。AIの大部分はGPU(3Dグラフィックスなどの画像描写を行う際に必要となる計算処理を行う半導体チップ)に関連し、並行処理の高速化、強化、低廉化に貢献しています。コンピューター科学者たちは、かつて机上の空論であったAIを開発し、毎日何百、何千万人が使用できるまでに普及させることに成功した陰には機械学習(machine learning)深層学習(deep learning)の発達が挙げられます。AIはどうのような方法で人間のような知能の一部を表しているのか?AIの知能はどこから来ているのか?今回はこの二つについて詳しくご紹介します。

<目次>

  1. AI、機械学習、深層学習 の関係性
  2. 機械学習(machine learning)-AIへの1つのアプローチ方法
    1. 教師あり学習
    2. 教師なし学習
    3. 強化学習
  3. 深層学習(Deep learning)- 機械学習の技術の1つ
  4. 結論

1.AI、機械学習、深層学習 の関係性

 この3つのキーワードの関係性は以下のようになります。最も広義に範囲を持つのがAI(人工知能)であり、機械学習と深層学習を内包する概念です。深層学習は機械学習の技術の1つです。

2. 機械学習(machine learning)-AIへの1つのアプローチ方法

 簡単に言うと、機械学習は機械に学習させることです。

 機械学習とは、あるタスクを何度も完了することによって、そのタスクを実行する時のコンピューターのパフォーマンスが向上するシステムを指します。別の言い方をすれば、機械学習の基本的な能力は、アルゴリズムを使用して既存の情報を分析・学習し、そこから関連性のある物事について予測もしくは決定を行うことです。

 特定のタスクを実行するための詳細な指示とアクションを備えたソフトウェアを作成する代わりに、タスクの実行方法を学習するために、コンピューターは大量のデータとアルゴリズムの使用によって“訓練”されるということになります。

 機械学習は明確なプログラミングがなくても、パソコンが規則性や判断基準を見つけ出す力をもたらしました。もし機械学習がなければ、現在のAIはかなり制限されていたのは間違いないでしょう。

 ここである機械学習を例にとってみましょう。写真の中の猫を認識させたい場合、以下のステップを踏みます。

  1. 初めに、パソコンに毛の色、体型、サイズなど様々な猫の特徴をまとめたデータをAIに提供し、それを機械が認識できるようにする。
  2. 次にAIに一部もしくは全て猫とラベル付けが可能な画像を提供し、猫に関連する詳細や特徴か否か機械が選択できるようにする。
  3. 機械が十分な猫に関する必要なデータを受け取ったら、「画像内にX,YもしくはZなどの詳細情報が含まれていたら、それが猫である可能性は95%である。」というように、写真の中の猫を探し出す方法がわかるようになる。

 学習方法は入力データによって教師あり学習、教師なし学習、強化学習の3種類に分かれます。

◇教師あり学習

 教師あり学習は、機械学習のアルゴリズムの中で、最も一般的です。事前に分かっているペアデータ(入力・出力)に沿った新データ(出力)を予測する出力アルゴリズムです。このペアデータはデータ、ラベルと呼ばれます。

 簡単に言えば、教師あり学習は正解となるデータを予め読み込み、正解に紐づく結果を提示します。

 教師あり学習では、教師データを既知の情報として学習に利用し、未知の情報に対応することができる回帰モデルRegression や分類モデルClassification を構築します。

・回帰とは、連続する数値を予測するものです。平均気温や天候といったデータとお弁当の販売個数の関係を学習し、将来のお弁当の販売個数を予測する、といったものが回帰にあたります。

・分類とは、あるデータがどのクラスに属するかを予測するものです。迷惑メールか否かが分かっているクラス分けがされたデータから文章の特徴とクラスの関係を学習し、新着メールが迷惑メールか否かを予測する、といったものが分類にあたります。

☆例えば、「猫」というラベル(教師データ)が付けられた大量の写真をコンピュータが学習することで、ラベルのない 写真が与えられても、「猫」を検出できるようになります

猫というラベルがある画像をコンピュータが学習し、画像の特徴を把握することで、猫であると検出できるようになる。

◇教師なし学習

 教師なし学習は正解となるデータは存在せず、入力されたデータを元に正解を導き出します。

 このアルゴリズムでは、出力データもしくはラベルが不明で、入力データのみあります。データの構造に基づいて、保存と計算を容易にするようにデータの次元圧縮や、グループ分け(クラスタリング)等といった特定な作業を実施します。

 教師データに相当するラベルがない場合であっても、大量の画像をコンピュータに学習させれば、画像の特徴 (例:大きさ、色、形状)からグループ分けや情報の要約が可能です。

 教師なし学習では、「猫」や「鳥」というラベルは与えられていませんが、形や色などが近い属性でグループ分けできます。 コンピュータがグループの名前をつけることはできず、「グループA」「グループB」といったラベルがないグループになります。

ラベルが無く、猫と鳥のランダムな画像をコンピュータが学習すると、各画像の共通の特徴からグループ分けをする。

◇強化学習

 強化学習はデータを基にせず、試行錯誤を通じて、報酬(評価)が得られる行動や選択を学習します。最大性能を引き出すため、環境に従って行動を確定する自動システムのための計算モデルです。現在、主にゲーム理論に取り入れられています。

以下の例から、強化学習のイメージをしてみましょう。

 押すと餌がでるボタンがある部屋に犬がいるとします。犬が偶然ボタンを押すと餌が出ますが、1度だけの経験ではボタンと餌が出たことを結びつけられず、犬には餌が出た理由が分かりません。「ボタンを押す」という試行を犬が繰り返すと、犬は「ボタンを押す⇒餌が出る」ということを学習します。(犬にとっては「ボタンを押す」という行動が入力であり、「得られる餌」が報酬(評価)に当たります。)

 ロボットの歩行に関しても、「歩けた距離」を報酬(評価)として設定し、手足の動かし方を試行錯誤して歩行距離を伸ばすことが、強化学習に相当します。

歩行ロボットの強化学習

3.深層学習(Deep learning)- 機械学習の技術の1つ

機械学習と深層学習の違い
(画像:https://quantrimang.com/su-khac-biet-giua-ai-hoc-may-va-hoc-sau-157948 )

 現在に至るまで、AIは大きく進歩してきたと言えるでしょう。深層学習は機械学習の神経のようなもので、人間の脳と同様にデータを処理します。機械学習との主な違いとして、人は猫がどのようなものか深層学習プログラムに教えることがなく、猫の必要な画像を十分に提供すると、機械は自らの力で猫を形成、学習します。

必要なステップ:

  1. 機械に猫の画像を大量に提供する。
  2. アルゴリズムが画像を確認し、それぞれの写真の共通の特徴や詳細を認識する。
  3. 各写真は、大きい形状のものから小、極小のものまでレベル別に詳しくデコードされます。同じ形状のものもしくは線が何度も重複した場合、アルゴリズムはそれが重要な特性としてラベルを貼る。
  4. 必要な画像を十分に分析した後、アルゴリズムは猫の関する明確な証拠を提供するモデルを判別できるようになる。人は未加工データを提供するだけでよい。

 つまり、深層学習は機械学習の中でも機械が自ら学習するものを指します。深層学習は機械学習より大変多くの入力データや計算能力を求められますが、Facebookや Amazonなど大手テクノロジー会社によって既に着手されています。

4.結論

 深層学習は機械の実際的な問題に応用し、同時にAIの全体的な分野拡大に貢献しました。深層学習は、直接的に機械に学習させる必要がなく、それまで必須であった人間の作業方法を打ち壊しました。そして現在までに、自動運転車や、顔認識、音声や文章の理解、自動翻訳など実現してきました。AIは世界の今であり、未来です。深層学習の補助により、AIは私たち人間が長らく思い描いていた仮想的科学を現実化しつつあります。

 弊社2NFソフトウェアでは、会社設立当時からAI研究に積極的に取り組み、請求書認識ソリューションや顔認識AIを利用したロボット開発など、高機能なAI関連のプロジェクト開発実績が多数あります。

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