「Vietnam Health Declaration」
電子医療申告システム開発
2020年頭から現在まで、コロナウイルス感染症は勢力を弱めることを知らず、ベトナムひいては世界に決して小さくない負の影響を与えています。コロナウイルス感染予防・阻止のため、ベトナム政府は様々な措置を講じています。その中の一つにオンラインの医療申告システムの展開が挙げられます。
今回は、現在ベトナム全国で展開されている電子医療申告システム「Vietnam Health Declaration」についてご紹介します。
<目次>
- 医療申告と電子医療申告システム誕生の背景
- 申告が義務付けられている対象者
- 電子医療申告システムでの申告方法
- 参考ベトナム国民向け健康申告アプリ「NCOVI 」
1. 医療申告と電子医療申告システム誕生の背景
“医療申告とは、感染症などの疾患を監視・監理するために、国民が組織に個人的な医療情報を提供することです。提供された情報を基に、地元医療組織は個人の健康状態を把握し、リスク要素が重要視される必要な状況下で、素早い連絡や健康状態観察の補助を行います。”
(出典: https://www.hoanmydanang.com/khai-bao-y-te-quy-trinh-cach-ly.html)
申告者は申告は嘘偽りなく、正確に申告しなければなりません。申告義務があるのに申告しない、もしくは正確でない情報を申告した場合、ベトナムの法律違反にあたり、罰せられる可能性があります。
世界にコロナウイルスが拡大を始めた2020年1月末ごろから、ベトナム政府はベトナム入国者に対し、入国地点において医療申告を義務付ける規定を打ち出しました。当初医療申告は用紙で行われていましたが、空港での申告時間の短縮や入国地点における近距離接触や人込みの回避、入出国者数とコロナウイル感染の疑いのある人物の早期把握・管理のため、3月9日よりベトナム情報通信省は電子医療申告システムを正式に立ち上げました。これにより、場所を問わず、誰でも簡単に健康状態や必須情報を迅速に申告することが可能になりました。
2.申告が義務付けられている対象者
ベトナムに入国する全ての人物に、入国時にその地点において医療申告をする義務があります。
また、電子医療申告システムの運営開始後ほどなくして、ベトナム国民とベトナム滞在者向けに“国民申告”及び“国内移動申告”のページが追加で設けられました。現在ベトナム政府は、国内を飛行機、鉄道などで遠距離移動する場合にも医療申告が義務付けられている他、全国民に対しても申告することを勧めています。
3.電子医療申告システムでの申告方法
以下は電子医療申告システムでの医療申告手順の紹介です。
☆”入国者向け医療申告”を行う場合
①医療申告ページ( リンク: https://tokhaiyte.vn/ )にアクセスもしくは入国地点に設置されているQRコードを読み取って、医療申告フォームを開く。
②言語を選択する。
ベトナム語の他、システムは英語、日本語、韓国語など10か国語に対応しています。国旗をタップすれば、該当国旗の国の言語に切り替わります。
③空欄に必要情報を入力する(“*”印のある欄は入力必須事項)。
入力情報は大きく3つに分かれます。
-自身の情報:氏名、性別、年齢など。
-入国手段と移動履歴:交通手段、目的地、出発地、出発日、到着日など。また、過去21日間に訪れた国/地域についても申告が必要。
-健康状態及び医療関係情報:妊娠や咳、熱の有無などの他、過去21日間に動物やコロナウイルス感染者との接触の有無も問われる。
④認証コードを入力し、“フォームの送信”をタップする。
⑤出入国手続き前に、入国者は医療検疫所に赴き、医療申告の確認を受ける。
☆“国民申告”及び“国内移動申告”を行う場合
国内遠距離移動する際、もしくは全国民に対して実施を推奨している申告は、当サイトの“国民申告”及び“国内移動申告”のタブから実施が可能です。これらの実施には電話番号を入力して得られるワンタイムパスワードが必要になりますので、電話番号を持っていない場合は誰かに頼んで代理で報告します。
(補足)現在、ウェブサイトだけでなく、モバイルアプリも開発され、更に簡単に申告が可能になっています。
4.参考
その他、ベトナム政府は国民に対し、アプリ「NCOVI」を通して健康状態申告の実施や国内外のコロナウイルス感染症状況を把握することを推奨しています。詳細については こちらからブログをご覧ください。⇒「NCOVI」アプリ